「待つ」というのは、時に不幸で、時に至福。
隙間もない程に抱き合い瞳を閉じれば
いつだって世界に二人だけの空間
芸術的な横顔のフォルム、
顎のライン、首元の匂い、耳の形状、
伏せた睫毛の濃さや、
上腕二頭筋の感触や、
私の腕の中にいる時に見える後頭部、
不条理を見下す時の冷酷な瞳、
お揃いにした唇の温度、
奏でる指先の力強さ、
上昇する情熱の一体感とか、
宇宙も楽園も描ける魔法とか、
泣く様に笑っている強さも弱さも、
君を創り上げている全てを残らず
破片でさえも堪らなく愛していた
いつもいつも待たされて
いつもいつも待ちくたびれて
それでも瞬間で吹き飛んだ
その姿が目に入れば心は鮮やかに
人生は歓びと憂に満ちていた
出せない手紙をあれから数え切れぬ程
書いて書いて書いて
破って破って破って
全てが消えても待ち続ける
来ないと知るも待ち続ける
不幸と隣り合わせの至福
(2013...)
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