風星
この人生の忘れ物は二人で生きた季節
深夜、携帯に赤い文字で残る名前
一日の終わりにも始まりにも
思い浮かべるのは同じ顔
目を細めて微笑う優しい顔
離れられないくせに近付けなかった
泪と隣り合わせの刹那的幸福
もういいやって誰かが言った
もういいやって自分も言った
いや、駄目だって君が言った
君だけが言い続けてくれてた
取り繕えない脆さに先回りで気付き
「強くならなくていいよ」
そっと囁き抱き締めてくれた
現実より大事な夢
夢より大事な現実
全部守りたかった
夢を愛し過ぎても
愛を夢見過ぎても
歪みは加速した
人が時代を作り出して
時代が人を作り上げて
君が私を造り出して
私が君を創り上げた
書けない物語は秘めたままで
泣けない終焉は忘却の彼方へ
切っても切れない縁は確かにある
いつかどこかできっと総て繋がる
執着じゃなくて終着
朝が来る度、生まれ変われる
あの時の二人を一生強さにするから
私風なんだ、君も風なんだ
同じ星を持って産まれてきたのだから
形なんて要らない
優雅に彷徨って、不器用に結び合おう
強く、強く
風を感じて、星に祈りを
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