カモミールジンジャー

ぶっきらぼうで投げ槍な物言い
酷く傷付けるくせに甘えたで
すっごく雑なのに、誰よりも繊細

くだらない話ではしゃいだかと思うと
真剣になると黙りこくって惚けて
いつだって目先の事を楽しみながら
その心は遠くだけを見つめていた

瞳を見れば一瞬で分かる
言いたかった言葉も
言えなかった言葉も
飲み込んで守った何かも

理不尽な冗談もとことん笑顔で貫く
くすぐったら楽しそうに怒るふり
なんだかんだヤキモチやきで
特に理由のないルールを定める天才

もう二度と壊れたりしないから
何も心配なんてしなくていい

言葉の節々に散らばる闇を感じて
やるせない哀しさが伝染してきた
あぁ、辛い思いをしていたね

今度は大きめのハンバーガーにしよう
私のを君が盗み食いして、また笑った

光の苦手な私に目隠しをくれた
カモミールジンジャーに包まれて
あの部屋の記憶が瞼に滲んで

もうこのまま目覚めたくないと思った
君の傍で永遠の眠りにつければと、
この空間こそが地上の天国だと
あの頃と全く同じ感覚にとらわれて
そんな戸惑いも心地良くて
気づかれない様にそっと泣いた
熱に魘されたせいにしておこう
情け無い程愛くるしい
捧げた過去を捧げたままで手を振るよ

幸せになってとは言えなかったけれど
この先は不幸を選ばないでと願った

カモミールジンジャー
もっと私を包んだままでいて欲しい
ずっとヴァンパイアの夢を見たまま


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