冬の春

そういえばあの人は雪男だった

雪の降る日には必ずやって来た

あの冬には寒かった記憶がない

まるで春の様に温かい冬だった

しかし全てが一変して崩壊した

それは本来、とても純朴な物語

優しくて儚くて…惨めで愚かで…

始まりと結末が結びつかなくて

読み手も書き手も苦しんでいた

どうか安らかな後書きを…

君といた冬を永遠の春と呼ぼう

二人の出逢いに一抹の意義を下さい

一人で越えた冬、一人で迎えた春

輪廻の果てにまた廻り逢えたなら

0コメント

  • 1000 / 1000