透明な約束
永遠の指切りを欲しがった
涙も痛みさえも愛おしくて
あなたがくれた贈り物には
名前も形も無かったのです
「出逢うのが遅過ぎた」と嘆いた
「出逢うのが早過ぎた」と笑った
「これからはずっと一緒だから」
木漏れ日みたいなその笑顔
嘘の欠片も見当たらなくて
会えない日々は辛いのに
会えたらもっと苦しくて
時に無意味な心の言い訳
裸足のままで駆け寄った
永遠の温もりを欲しがった
希望も祈りさえも許されず
あなたがくれた夢の香りは
哀しい優しさの媚薬でした
「このまま溶けたい」と呟いた
「重なったまま消える」と放つ
「誰も二人を知らない國へ行こう」
背徳が蜜を増して加速は止まらず
引き返せる場所を当に過ぎていた
太陽の下を歩けなくて
月明かりに照らされる
時に無色な二人の空間
裸のまま背中を向けて
用意されている訳無い
倖せな結末を望む程に
透明な約束だけが強く
脆く脆く脆く結んだ絆
欲しかったのは…
(2014.May)
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