息吹

私の中から君が消えた事は無い
消滅させる努力をした時期も経た
出逢った夜から君はずっと心に或る

君は私を時々思い出す
気紛れでしかない風のペガサス
その瞬間まで私は必死に息を潜めて
祈る様な思いで待ち続ける

あぁ君の中にも私は或るんだって
会話の節々に感じた時、
ただ名前を呼んでくれた時、
この心は息を吹き返す

深い海に溺れて苦しかったよって
しがみつきたくなるけれど
そんな事は出来やしない

やっとなだらかになってきた傷跡を
搔きむしりたくない故

涼しい声で素っ気なく言葉を返す
そんな私を君は見透かしている
分かっているのに、分かっているから
延々と続く非生産的な刹那

二人よがりの美学

そろそろ息がつまりそうだ


0コメント

  • 1000 / 1000