狂想曲〜カプリチオ〜
君が手招きしている
「おいで」と優しく
笑うと目が消えそうになる笑顔で、
私を呼んでいる
神様は彼に気まぐれという才能を与えていた事を、いつもすっかり忘れる
理性や決意も吹き飛ばすその笑顔に、
なす術もなく支配され続けた
手招きされている場所が
例えこの世界の果てでも、
終わりなき地獄だったとしても、
拒むという選択肢は渡されていない
不幸が待っていても
従う事が使命だと…
その気まぐれを独占なんて出来ない
私が地獄に堕ちたとしても、
君は口笛を吹いてふらふらと歩ける、
そんな事も十分に分かっているのだ
神様、太刀打ちなんて大きな事は言いませんから、この痛みを柔らげる武器か術を与えてはくれませんか…?
気まぐれ男の口笛が脳内で鳴り響く
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